ことばにならない気持ちに、そっと名前をつける場所

日射しの強い、静かな午後に

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── noa*ist、ひとつの場所の始まりに

昨日は夏至だった。
太平洋高気圧に押されて、
今は梅雨前線が北へと移動しているらしい。

ここ数日、陽ざしの強い日が続いていた。
今日はそのなかでもいちばんまぶしい。
木立の影が、舗道の上にくっきりと落ちている。

今、それをただ眺めている。
どこか別の時間に飛んでいけそうな気がして、
しばらく目を逸らせなかった。

ささやかな始まりとして、
ひとつのウェブページをひらいた。
名前をつけて、色とかたちを整えた。

特別なものではないけれど、
目立たずにそっと在って、
それでももし、誰かがふと見つけてくれたら、
その人にだけは、静かに届いてほしい。

そんなふうに思っていた。

このページをひらいたとき、
ふいに思い出したのは、はるか前の春の午後。

何も書かれていない白いノートを前に、
ことばが降りてくるのをただ待っていた、
そんな感覚がよみがえった。

noa*ist(ノアイスト)と名づけたこの場所は、
たとえば、言葉に出さなかった思いや、
かたちを持たなかった景色を、
そっとしまっておける引き出しのようなもの。

誰かに読まれることを強く願っているわけではない。
ただ、自分の中を過ぎてゆくなにかを、
少しだけ確かめておきたい。
記すことで、ようやく気づくようなこともあるから。

ときには物語のようなものが現れるかもしれないし、
ときには午後のひかりや、
雨の匂いについてだけ語る日もあるだろう。

どれも、ただ静かに、
書くという行為の少し手前にある思いをかかえている。

その時間のなかで、
ゆっくりと、自分の輪郭をなぞってみたい。

夜の音にまぎれて。
あるいは、午後のまどろみの中で。

ふとここを訪れてくださる方がいて、
その人の心にも、
ひとすじの光が届くように。

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